古本の魅力:シャーロックホームズシリーズ

2020年09月06日

コナン・ドイルのシャーロックホームズが大好きです。出会いは子供の頃NHKでやっていたTV「シャーロックホームズの冒険」です。ジェレミー・ブレットのはまり役と言われた名作ですね。DVDの「シャーロックホームズの冒険完全版」はもちろん、ちくま文庫のシャーロックホームズ全集は何度も熟読し、その他いろいろな出版社から出たシャーロックホームズシリーズはついてが伸びてしまいます。同じ話でも本が変わるとまた別の味わいがあります。

この本は、古本屋さんで見つけました。発行は昭和5年。この時点で「第九回配本」と書いてあります。文章も古いもので、たとえば「僕は言った」となるところも「僕は云つた」と書いてあります。

昭和初期くらい昔の本は、つくりが丁寧でそれ自体が作品のようです。そしてこの本が世に出てから、何人のシャーロックホームズファンがわくわくしながらページをめくったのだろうと考えると、その長い歴史の流れに参加できた喜びを感じることができます。もう古本バカですね。

そんなわけでシャーロックホームズシリーズに限らず何十年も前に発行された推理小説を見つけるとつい手が伸びます。何十年も前に登場したこの1冊の中に、印刷された瞬間に誕生した名探偵がいて、同じ話でも本の数だけページの向こうにわくわくする推理の世界が広がっている。そんな妄想をしながらそっとページをめくる時間が大好きです。

この本の長い歴史に参加できたことは嬉しいのですが、問題はこの歴史の流れを止めたくないという事。私より若く、推理小説好きで、古本の魅力を理解しあえる人がいたら、命が尽きる前に譲りたい。まちがっても遺品整理とかで焼却処分なんてされたら悲しい。まだあと30年くらいは生きるつもりですが、今からそんな事が心配になるくらい古本を愛しています。やはり古本バカですね。

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