愛の言葉
箱根ガラスの森美術館の館長、岩田氏の著書「愛の言葉」。出版された時に読んで、また最近再度読みました。箱根ガラスの森美術館は今年25周年を迎えるそうですが、多分私が初めてここに行ったのも開館してまもない頃だったと思います。ガラス工芸が大好きで、学生時代は油絵の他にステンドグラスや七宝焼きなどガラスを扱う作品を作ったりしていました。そんな事もありガラスの森美術館は開館後何度も足を運び、素敵なガラス作品を堪能しておりましたが、縁あって岩田館長とお話しする機会もいただく事もできました。
大手百貨店で美術展や企画展を手掛けていらっしゃったという岩田館長。お会いした時に感じた印象は、ザ・経営者!という感じでした。はつらつとしていて覇気があり、エネルギーを感じる魅力的な方です。初めてお話しさせていただいたのは今から15年くらい前ですが、あこがれの美術館の館長!という事で当時はめちゃくちゃ緊張したのを覚えています。最近になってまたお話しする機会をいただけましたが、変わらず素敵なパワーに満ちた方でした。
本には、作品や美術館のあり方を通して、箱根ガラスの森美術館が大切にしている事や世界観、お客様に楽しんでもらいたい思いなどがどのように美術館に反映されていったのかが書かれています。またその内容からは岩田館長の経営の魅力が読みとれ、そのひとつひとつに理由があり、その理由は全て読み終わると「愛の言葉」でできていると感じられます。その言葉は来館されるお客様だけでなく、働くスタッフ、また人と接する仕事の人や、ものを作り表現する人全てに向いているように感じます。実際に箱根ガラスの森美術館を訪れると、愛の言葉で育った美術館やスタッフの方々が素敵な時間と空間でもてなしてくれます。他にはない、唯一の美術館だと感じさせてくれます。
作品や美術館の魅力を知る上で貴重な一冊ではありますが、サブタイトルに「人気を呼ぶ経営術」とある通り、多くの人に愛され続けるヒントがたくさん書かれています。日々仕事をする上で、また人と接する上で役立つ言葉も沢山ありました。お勧めの一冊です。